WBSとは、Work Breakdown Structure(ワークブレークダウンストラクチャー) の略で、プロジェクトを一覧にして並べたものを指します。WBSを有効活用することで、プロジェクトのタスク一覧を確認しやすくなるので、プロジェクト全体像を把握しやすくなります。
今何をやるべきか、そのタスクはいつまでにやるべきかを簡単に確認できるので、プロジェクトの運用がとても容易です。
目次
WBSの重要性
WBSが生まれたのは50年以上昔のことです。
WBSという名前は、W→「Work」B→「Breakdown」S→「Structure」という3つの言葉の連なり。それぞれ、「やること」「細分化」「組み立てる」という意味の言葉です。この単語の連なりを見るだけで、ある程度WBSの意味がわかるというものです。
つまりWBSは、これからやる仕事を細分化して、構造化して組み立てる手法なのです。プロジェクトは全体を俯瞰して、今後の作業を常に確認することが、スムーズな仕事を行う上で重要な要素です。
WBSのメリット
WBSにはどんなメリットがあるでしょうか。
まず、進捗度の確認。「ガントチャート」という時間を確認する項目を記入するWBSを見れば、現在の進捗状態をひと目で確認することができます。そして各作業が細分化されているため、誰がどの作業をするのか、作業分担を明確にできる効果もあります。
そして作業が細分化されているということもあり、プロジェクトで必要となる作業の抜けを防ぐことができるメリットがあります。
WBSの作り方
では具体的に、WBSを組んでいきましょう。プロジェクト本格始動前にWEBを組んでおくことで、プロジェクトの成功率をかなり上げることができるはずです。
マインドマップで「やるべきこと」を洗い出そう
まずは、WBSで入力する項目を洗い出さなくてはいけません。そのためには、「マインドマップ」を用いて、頭にある「作業」を視覚化しましょう。マインドマップを視覚化するツールは数多いです。まずはマインドマップツールを選ぶところからはじめましょう。
エクセルに一覧で記す
マインドマップで洗い出した項目をExcelで一覧にすれば、ほとんどWBSは完成です。
各タスクにかかる時間を記入する
Excelに入力したタスクに、必要な工数と誰がタスクを担当するかを入力すれば、WBSの完成です。
WBSの失敗例
WBSを組んでも、結果的に失敗してしまった例も少なくありません。
まず一つ目の失敗例は「WBSに入力したタスクの数が多すぎた」場合です。タスクが多すぎて管理しきれなかった。一覧で確認しづらいからこそ、あとで情報の抜けが見つかった…などの問題が発生してしまいます。
WBSは確認のしやすさも重要な要素。タスクを詰め込み過ぎて、わかりにくいWBSを作った時点で失敗だったと言わざるをえません。
そして、組んだWBSが後から編集と修正がしにくかった場合。WBSは日程の遅れや作業の変更ごとに編集の必要がありますから、「後から手が加えやすくしておく」のも大切なのです。
WBSがあればエンジニアの手が止まる事はない
WBSがあれば、プロジェクトの作業段階において「次何をすればいいんだっけ?」「これとこれ、どっちを先にやればいいんだっけ?」という思考停止状態を防ぐことができます。→システムエンジニアとは
これでは、プロジェクトが完結するまでに多くの時間がかかってしまいます。WBSがあれば、こんな状態を防ぐことができるのです。
プロジェクトをより円滑に進めることができる。これが、WBSの効果です。
WBSを作るのは時間がかかる
WBSがあればすごく便利なのはわかる。しかし、WBSを作るのは時間がかかりすぎる…。とお悩みのプロジェクトマネージャーも多いでしょうか。確かにそれは正しいです。WBSを一から組み立てるためには、多くの能力と手間が求められるのは確かです。
過去のWBSを参考にPDCA
効率よくWBSを作るためには、今回のプロジェクトに似たもので、過去作ったWBSがあればそれを参考にする。ツールを使いながらWBSを組み立てるなどの工夫が必要です。
そしてできたWBSは、運用しながらPDCAで改善していく努力も怠るべきではありません。
まとめ
WBSについて、わかっていただけたでしょうか。
Work Breakdown Structureという言葉が連なったこの言葉。プロジェクトにおけるタスクを細分化して、工程まで記入することが必要になります。
WBSがきちんと作ってある段階でプロジェクトに携わるのと、何もない状態で、手探りでプロジェクトを始めるのではその後のプロジェクトの作業効率が違います。エンジニアを思考停止させないためにも、WBSは必要となるのです。