今後におけるSEの転職事情と成功のポイント

パソコンの前で悩む男性

IT業界は今非常に成長している業界であるため、新しい人材や優秀な人材を求めて求人している企業も多いです。そのような状況の中、現場で働くエンジニアにおいても新しい職種や待遇を求め転職を考えている人も少なくありません。ここでは、そんなSEの転職における最近の状況と転職を成功させるためのポイントを紹介しますので参考にしてください。

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急激に成長しているIT市場

IT業界はまさに今急激に成長している花形市場であり、毎年たくさんのベンチャー企業が生まれ新しいサービスや商品が世の中に生まれています。そして当然、新しい企業が生まれるときはそこで働くエンジニアが必要になりますので、新しい雇用が発生します。

また、今までと違う分野のビジネスに進出した企業の場合においてもその分野における知識を保有したエンジニアが必要になります。このようにIT業界の成長に伴って新しい企業や新しい部門が生まれるたびにそこで働く新しいエンジニアが必要となり、新しい雇用が発生するのです。つまり、IT業界は現在の日本のビジネス市場において、たくさんの新しい雇用を創出している業界であるといえます。

新しい雇用が生まれれば不要となる人材も発生する

現在のIT市場はWEB系ビジネスの拡大や、IOTビジネス、ビッグデータビジネス等、従来のSIビジネスとは異なる新しい分野に進んでおり、その分野で活躍できる新しい技術を保有した人材が求められる傾向になってきています。しかし、逆の言い方をすればSIビジネスがそのような新しい分野に変わってきているため、SIビジネスにおけるエンジニアのニーズは逆に減ってきている傾向にあるのです。

よってSIビジネスを今まで何十年と行ってきたSEが、今後伸びていくWEB系のビジネスを行っている企業や、今後の継続的かつ安定的な雇用を約束してもらえるような企業に転職を考えたりする傾向が多くなってきています。

変化するITビジネス

従来のSIビジネスといえば顧客からシステムに求める要求事項をヒアリングし、基本設計や詳細設計を行った後に開発やテストを行い、顧客に完成したシステムを届けるというシステム業界において、一番オーソドックスかつ非常に広大な市場で行われてきたビジネスモデルです。

よって、そこで求められるシステムエンジニアやプログラマー等の技術者はいつも不足気味であり、この職種のスキルや資格を保有していれば職には困らない、と言われていた時代もありました。しかし、最近ではこのようなSIビジネスが急激に伸びていた時代から少し変化があらわれました。それはシステムの共同利用であったりクラウドサービスの普及です。メーカー等が開発した汎用的なシステムを共同利用したり、インターネット上に配備されたクラウドサービスを利用するような形態が広がってくると、当然ながら1つのお客様のためだけのオリジナル仕様のシステムを個別開発するという案件は減少傾向となります。

勿論、大規模なエンドユーザ向けの個別開発や、各エンドユーザのための個別の設定等の部分が必要であることに変わりはありませんが、過去と比べればそのような案件が今後においてもより減少傾向となることは一般的に予想できる流れであります。

今後求められるスキルや職種

IT業界におけるビジネスモデルが変化すれば必然と企業がSEに求めるスキルや職種も変わってきます。IT業界における職種にはいろいろありますが、代表的なものとしてはシステムエンジニアやプログラマー、WEBエンジニア、インフラエンジニア等があげられます。

そして、さらに細かくあげると他にもデータベースエンジニア、ネットワークエンジニア、組み込みシステムエンジニア等、たくさんの職種が存在します。従来のSIビジネスで主に活躍するのは、インフラエンジニアとシステムエンジニア、そしてプログラマーでありましたが、今後のIT業界ではWEBエンジニアやネットワークエンジニアのニーズが高まってくる傾向にあります。

スキルやノウハウが無くては転職は難しい

従来のSIビジネスが縮小傾向となり新しい分野のビジネスが伸びていく状況が進めば進むほど、従来のシステムエンジニアは職種転換もしくは転職を考える機会が多くなるでしょう。しかし上記でも記載した通り、新しい分野のビジネスでは今までのスキルとは異なるWEB系ノウハウやネットワーク系のノウハウを必要とする企業が多い傾向にあります。

そして、このようなスキルやノウハウが無ければいくら自分がその分野で頑張っていきたいという強い気持ちを持っていても気持ちだけで転職を成功させることは難しいでしょう。また、仮に転職自体はできたとしてもスキルやノウハウが無ければその後実際に仕事を進めていく上で行き詰まり、結果的に仕事を続けられない、という事態にもなりかねません。

新しいスキルやノウハウを身につけるためには

SIビジネスに長く携わってきたSEがWEB系のスキルやノウハウを身につけるためには、まずは従来の考え方を変える必要があります。SIビジネスはどちらかというと組織であったりプロジェクトにおける管理面を重視しており、建設工事業務の工程管理ほどではないにしても、しっかりとしたマニュアルに沿った動きであったり、ウォーターフォールモデルでのスケジュールに従って粛々と作業を進めていく傾向が強いです。

しかし、WEB系のビジネスにおける開発は全くとはいえませんがSIビジネスとはかなり異なります。WEB系のシステム開発の現場では常に新しい技術の研究や検討が行われており、よい技術であれば速やかに採用し実践で活用していきます。逆にこのようなアグレッシブな行動がとれなければWEB系の開発現場ではついていけない、ということにもなりかねません。

必要なノウハウを計画的に習得していく

上記で記載したとおり、WEB系のシステム開発の現場は従来のSIビジネスの現場とは大きく異なる環境であり、何か1つの言語や技術をマスターしたからといって簡単に職種転換できる、というものではありません。決められた工程に沿って従順に作業を進めればいいという考え方から、より優れた性能やポテンシャルを出すためにはどのようにすればよいか、ということを常に考えるくらいの姿勢が必要です。

そして、このような仕事に対する考え方はそう簡単に変えられるものではありませんので、まずは必要とするスキルを明確に設定しそのスキルを身につけるためには普段からどのような気持ちでどのような仕事に取り組めばよいか考え、計画的に実践する必要があります。例えば、WEB系のビジネスに参入していくためにはマーケティングやSEOのノウハウはある意味必須でありますので、マーケティングのノウハウをいつまでに身につけ、次はSEOのノウハウをこの期限までに身につける、といったようなスケジューリングを行った上で取り組んでいく必要があります。従来の仕事をしながらでもこのような目標をしっかり立てた上で日々の業務を行うことで、学びたいノウハウに近い案件が発生したときに進んでその仕事を引き受ける等、転職前の会社の中でも必要となるスキルを学んでいくことができるのです。

全体のまとめ

ビジネスモデルが変化してきている昨今のIT業界において、企業が人材に対して求めるスキルやノウハウも当然変わってきます。そして、この変化に対応していくために転職や職種転換を考える人も少なくありません。しかし、SIビジネスをバリバリ行ってきたエンジニアだからといってWEB系でもちょっと勉強すれば通用する、という簡単なものではありません。WEB系のシステム開発ではSI開発とは全く異なる技術やノウハウを必要とする場合があるため、これらのスキルを事前にしっかり身につけておくことが転職や職種転換を成功させる重要なポイントです。