組み込みエンジニアに転職!必要なスキルは?どんな人が向いている?

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流通している家電、電子製品などは、その動作を制御する「システム」が組み込まれています。制御するソフトウェアが、その製品を制御しているのです。そのソフトウェアを開発するのが、「組込みエンジニア」です。

組み込みエンジニアがいないと、家電製品など日々の暮らしで必要な製品は完成しないため、他のエンジニアよりやりがいを感じることができるかもしれません。なんといっても、人々の暮らしを支えているという満足感は、他の仕事では得難い感情です。

そんな、やりがいが大きな組み込みエンジニアという仕事。他のエンジニア食から転職するためには、どんなスキルや資格が役立つのでしょうか。そもそも組み込みエンジニアには今後も需要がある仕事なのか?調べてみましょう。

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組み込みエンジニアの転職事情

まずは、組込みソフトウェアの専門エンジニア、組み込みエンジニアの転職事情から調べていきましょう。

組み込みエンジニアの基本業務

組込みシステム開発

組み込みエンジニアの基本業務は、当然の事ながら「組込みシステムの開発」です。組込みシステムの開発の手順を、順番に調べていきましょう。

組み込む機器に必要な機能の抽出

まず行うのは、システムを組み込む機器に内蔵する機能を抽出するところからです。

例えば洗濯機や冷蔵庫などの家電製品、またはPCやスマートフォン、プリンタなどの電子製品など、製品によって内蔵する機能は変わってきます。

この機器にはどんな機能を組み込むのか。そしてその機能を組み込むためには、どんなシステムが必要となるのか。それを考え始めるところから、システム開発は始まります。

システム設計

内蔵する機能を決めたら、次は実際にシステム開発を行います。

システム開発にはまず、その開発に必要なソフトウェアとハードウェアの策定から始めます。その製品はどんな外部製品と接続するのか。そのためにはどんな端子が必要になるのか。そして製品内にOSを組み込むためのCPUも決めなくてはいけません。

組み込みOSの種類も、LinuxがいいのかWindowsがいいのか、はたまたAndroidか決めなくてはいけません。

ハードウェア設計

システム設計の次は本格的にハードウェアを設計します。

ハードウェア設計の時点で使用する部品をすくなくすることで、予算削減などの多くの面でメリットがあります。

ソフトウェア設計

ここまででシステム設計とハードウェア設計が終わっているので、あとは組み込むソフトウェアの設計です。

多くの場合メーカーサポートを重視して、ベンダーが提供するLinuxを採用します。

実装

組み込み開発の場合は、他のシステムエンジニアなどと違い、ベース基板の制作や部品の実装も行うことになります。

この実装では、組み込むソフトウェアの開発も行うことになりますが、CPUが存在しない中で開発をすすめることになります。実際にそのプログラムを動かすハードウェアを模したスタブなどを用意するのが一般的です。または、別の基盤を用意したり、開発環境にシミュレーターモードを使用することもあります。

テスト・デバッグ

ここまで終わったら、あとは実際に組込みシステムを動かして、問題があったら問題を修正するフェーズです。

実際の基盤にシステムを移してテストした後、製品としての品質確認のために実際の運用環境でのテストを行います。この環境試験こそ組込みシステム開発においてもっとも重要なフェーズと言っても過言ではないでしょう。

組み込みエンジニアとSIerエンジニアは何が違うのか

組込みシステム開発と、業務用システム開発のもっとも大きな違いは、開発するシステムが活躍する場面でしょうか。

業務用システムが活躍するのは、当然「コンピュータ内」です。しかし組込みシステムが活躍するのは、そのシステムが組み込まれる機器の中です。ここでコンピュータは、あくまでシステム開発に使われる「脇役」でしかありません。

組み込みエンジニアは、組み込む機器やその基盤など、様々な「ハード」についても気を回しながらシステム開発を行わねばなりません。

組み込みエンジニアの需要は今後あるのか

組み込みエンジニア業界は慢性的に「人手不足」です。つまり求人需要自体は高いということ。そのかわり働く上で求められる条件がシビアな仕事のため、かなり狭き門となってしまうことも確か。業務用ソフトウェア開発とは全く違うプログラミングスキルが求められるので、エンジニア教育のコストも多くかかってしまいます。

さらに最近は、電気自動車が多くなっており、自動車に組み込むシステム開発の分野での需要が高くなっています。そして安定して需要がリコーやエプソンなど、複合機のシステム開発などオフィス機器のシステム開発にも高い需要があります。

組み込みエンジニアの平均年収は?

組み込みエンジニアの平均年収も、他エンジニアと同じく関わっているプロジェクトや仕事で、大きく年収に差が出てきます。しかし、組み込みエンジニアの中で最もポピュラーなC言語を使って開発を行う人で、平均年収「660万円」となっています。

他エンジニアと比べると、高い水準の年収をもらうことができます。そこにはやはり、働くために求められるスキルが高い事などがその理由となるでしょう。

組み込みエンジニアへの転職

それではもっと具体的に、組み込みエンジニアへ転職する事を考えながら情報を見ていきましょう。

どんな人が組み込みエンジニアに向いているのか?

それでは、組み込みエンジニア適正が高い人の特徴から調べてみましょう。

縁の下の力持ちになりたい人

組み込みエンジニアは、とても重要なポジションであるにもかかわらず、表立ったシステムを開発する仕事ではありません。

実際にその製品を使ったユーザーから感謝の言葉をもらうことも、めったにないでしょう。しかし、組み込みエンジニアのポジションは確かに重要。街中で、自分の関わった製品を見かけるなんてことも。

そんな、世間における「縁の下の力持ち」ポジションで満足できる方こそ、組み込みエンジニア職にピッタリだと言えるでしょう。

モノ作りが好きな人

子供の頃から、プラモデルやミニ四駆等、何かモノ作りに励むのが好きだった方。そんな方は、組み込みエンジニアに最適です。

ソフトウェア開発は好きだが、ハードウェアにかかわるのも好きなら、ぜひとも組み込みエンジニアになってみてはいかがでしょう。

組み込みエンジニアへの転職で役立つ資格は?

組み込みエンジニアへの転職にぴったりな資格があります。

ETEC(組込みソフトウェア技術者試験制度)

ETECこそ、一般社団法人組込みシステム技術協会が実施する、組み込みエンジニア向けの試験です。ETECには2つの難易度があり、初心者向けの「クラス2」と、それ以上のレベルである「クラス1」があります。

自分が持っている組み込みエンジニアとしてのスキルに合わせて、どちらのレベルの試験を受けるか決めることができます。

まとめ

組み込みエンジニアのしごとについて、また組み込みエンジニアへの転職について、わかってもらうことができたでしょうか。

ソフトウェア開発だけでなく、ハードウェアにも大きく関わる分野の大きい「組み込みエンジニア」。仕事で求められるスキルが多いこともあり、組み込みエンジニアとして働くハードルは高いですが、平均年収は高くやりがいもある仕事です。

ソフトウェア開発とハードウェア開発両方に興味のある方はぜひ、組み込みエンジニアとして働いてみてはいかがでしょうか。