100社以上の採用担当を見てわかった 採用活動が上手なIT会社、下手なIT会社

面接

転職活動をしていると、また、転職活動に携わっていると、たくさんの会社の人事を目にします。

会社の規模や経営方針はさまざまなので、採用活動の方向性も様々ですが、採用活動の上手い下手の明暗はハッキリ分かれています。

実際にその会社で働いてみないと、その会社がいい会社か悪い会社かなんてわかりません。しかし、「採用活動」が下手な会社で働きたくないかなあ、なんて考えてしまうものです。採用活動の上手い下手は、その会社の根幹の部分に関わる問題でもあるからです。

私もかつては、様々な会社の選考を受けた身。そんな私が実際に見た、「採用活動の上手い会社、下手な会社」の特徴を書いておこうと思います。
ぜひあなたの転職活動の助けとしてください。

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採用活動があんまり上手じゃない会社の特徴

考えてみれば、応募者から「採用が下手だった」と思われることは大きな損害です。たとえその時は選考に通らなかったとしても、ゆくゆくはその人と縁のある会社かもしれません。または、「あの会社は選考受けたけど、イマイチな雰囲気だった」という評判が広まってしまいかねません。会社の悪評が広まるのは、会社の信用、ひいてはブランドに関わる問題です。

選考に力を入れていないということは、そういった「会社の見せ方」が下手だということに他なりませんから、やはり良い会社だとは言えないかもしれません。

基本的にマナーが悪い

IT事業の会社、とりわけ会社規模の大きくないITベンチャーならなおさら、日本大手企業なみのビジネスマナーは求められません。

とにかく、技術者の環境さえしっかりしてくれていれば、あとはラフなくらいでちょうどいいです。

しかし、ビジネスにおける「ラフ」には限度があります。そうした基本的なビジネスマナーができていない会社は、選考云々の前に印象が悪いものになってしまいがちです。具体的に言えば、

  • 面接終了後のお見送りがない
  • 質問中、質問の返答中に遮られる
  • 面接中に面接官の一人が通常の業務を行っている

こういった事を「細かい」とか、「実際の業務とは関係ない」とか言われるとそこまでですが、実際に面接を受ける身としては悪印象を覚えます。
これから一緒に働くかもしれない人に、こんなぞんざいなあしらいをされると、「ここで働きたい」という気持ちも失せてしまいますよね。

また、実際にあった事案で、「面接官が自己紹介をしない」というものがありました。
面接を受ける側としては、相手の立場などで受け答えの内容が変わるので、面接官のことは詳しく知りたいですよね。そういった細かい気配りがない会社は、事業内容も心配になってしまいますよね。

求人票と中身が違う

そのポジションで関わる業務が広くなればなるほど、求人票との誤差は広くなってきます。

採用後は、過去の経歴からどんな仕事が任されるのか。どんな事業と携わることができるのか、転職活動で確かめるべきなのはそこです。

求人票に書かれている「◯◯にまつわる仕事をしてもらいます」や、「幅広く業務に関わっていただきます」などの言葉を頼りに応募したのに、実際に働きだしてみると違ったりする会社があります。限定的な仕事しか任せてもらえなかったり、関わりたかった事業にまつわる仕事はあらかた終わっている…など。

求人票を丁寧に、実際の作業との差異無く書いており、実際の面接ではもっと具体的な説明をしてくれるのが「選考が上手い」会社です。

特に課題がないと言いはる会社

私は面接において、組織課題を知るために、「今抱えている組織の課題」はなんですか?と聞くのをおすすめしています。
バックオフィスに携わる仕事ならなおさら、会社の成長に応じて解決するべき課題が違います。成長途中の会社ほど、業務内容の個別化が難しいなどの問題があるからです。

しかし選考が下手くそな会社は、「現在特に課題を抱えておりません」なんて答えたりします。確かに人材募集をする会社ですから、それほど経済的な困窮は無いかもしれません。

しかし、一つも課題のない会社なんてあるはずがありません。こういった答えが帰ってくる理由としては、

  • 人事が会社課題を把握していない
  • 幹部以外に会社の詳細情報が共有されていない
  • 課題を言うことで、会社にネガティブなイメージを持たれるのに怯えている

とはいえ確かに、課題をたくさん抱えている会社は、できればお近づきにはなりたくありません。ですが果たして、「課題がない」会社で働くのは、楽しいのでしょうか。

会社の成長と同時に、個人の成長ができてはじめて、仕事が楽しいと思えるのでは無いでしょうか。

なんにせよ、「課題が何もない」なんて答える会社に、私はそれほどいい印象を持ちません。

面接でダラダラ話すだけの会社

雑談

これは割りとよくある話ですが、ITベンチャーの面接を受けに行くと、終始関係ない話をされ終わりなんてことがけっこうな頻度であります。

面接の雰囲気をよくするために、関係のない話をされることは悪いこととは思いません。また、会社全体の雰囲気をアピールする意味で、あえてカジュアルな話題を出すのもいいと思います。

しかし、面接する側、面接される側両方が、面接においてお互いを深く理解するのは大切なはず。無駄話はそこそこに、本題へ切り込むべきです。

最近の面接では、実際に社員や上司と楽しく交流しながら進める「カジュアル面談」なんてものがあったりしますが、程よくカジュアルさをアピールするのは面接官の力量にもよりますが、かなり難しいと思います。

大体、そういったカジュアル面談では、面接を受ける人に「明るさ」を求めることも多く、なんだか嫌だなあと思ってしまいます。

連絡が遅い

これは説明するまでもありませんね。

面接後連絡が遅れる事情があるかもしれません。募集した人が多くて、採用が難航しているとか、イレギュラーな出来事で連絡が遅れることもあるでしょう。

しかし一般的なマナーとして、選考後1週間以内には連絡が欲しいですよね。私が実際に面接を受けた会社は、面接から一ヶ月半が過ぎた頃ようやく連絡が届きました。
そうした会社に限って、連絡が遅れた事に対するお詫びの言葉などは見当たりません。そうした会社は、きっと会社内がごたついてるか、人事担当者がおそろしく能力が低いか…。とにかく、こちらとしてもそこで働きたいとは思いませんでした。

採用活動に力を入れているなという会社の特徴

良い面接

では反対に、「採用活動が上手い」会社の特徴もみていきましょう。

採用活動が上手い会社の特徴は率直に言って、選考をとにかく「丁寧」にすすめてくれます。そして採用活動におけるミスマッチも少ない。会社の組織としての形がしっかりしているからこそ、現場と人事のチームワークが取れており、採用活動のミスマッチもなくなるのかなと思います。

つまり、採用活動が上手い会社は、「良い会社」であるということです。

ネットに公開していない情報も教えてくれる

採用活動が上手い会社は、ネットに公開している求人情報では公開していない情報も教えてくれます。

面接を受ける側としては、わざわざ時間を取って、電車乗り継いて目当ての会社に来るわけです。それならば、ネットに公開されている情報以外のことも教えてほしいと思ってしまうのが普通。

ですが、まだ社員にもなっていない外部の人間に、社内の詳細な情報を教えるのは気が引けてしまうもの。そういった質問に対して、「答えてくれるか」「答えないか」だけではなく、そういった質問に対しどんな反応をするのか、そこにこそ会社の価値が表れるのではないかと私は思っています。

具体的に、面接官が答えにくい質問というのは、

  • 会社の組織構成
  • 会社の規模をどこまで大きくするのか
  • IPOは視野に入れているんのか
  • 投資家との関係
  • 応募しているポジションの採用背景

などです。

会社の立場や、経営そのものに関わる質問をされると、答える側としても困ってしまうもの。そういった、答えられない質問に対しても真摯に、こちら側への情報提供を考えてくれるか、そこが重要です。

転職の面接においては、お互いのために多少強気で質問するべきです。

こちらの考えを上手に聞き出してくれる

面接時の質問が、うまいなと感じる会社があります。

表面的なことしか質問してこない会社が多い中、しっかりとこちらの意図の深いところまで深掘りしてくれる会社が、私は「採用活動が上手いな」と思う会社です。

こちらが意識していなかった面、「確かに言われてみれば…」と、こちらの深いところまで考えさせてくれる面接官がいる会社は、「採用活動が上手い」会社ですね。

ネガティブな問題もしっかり考慮している

会社の課題やリスクをしっかり理解しており、その上で採用活動を行う会社は、採用活動が上手い会社だなと思います。

採用活動において、会社のうまい話ばかりではなく、働き始めた上で感じるかもしれない問題にまで気を回してくれる会社は、私はいい会社だなと思います。
「社員同士活発なコミュニケーションを取りながら仕事する社風ですが、その中でも馴染んでいけそうですか?」
なんて事前に聞いておいてくれる会社なら、入社こちらが感じるミスマッチを少なくすることができるでしょう。

対応が早い

メール
採用活動が下手な会社は、選考の連絡が遅いですが、反対に採用活動が上手い会社は連絡、対応が早いです。

素早いレスを頂けると、「こっちのことを考えてくれるんだな」とか、「採用活動に力を入れてるんだな」なんて思ったりします。

しかし、上でも言いましたが、様々な事情で連絡が遅れるケースは考えられます。そのようなケースでも、「結果が出るまで1週間かかるかと思います。お待たせしてしまい、恐縮です」といったような「期限」を定めてくれる会社が、私はいい会社だなと思います。

スピード感は、ビジネスにおいて強力な武器です。フットワークが軽い会社なら、そこで働く社員としても働きやすい会社であることは間違いないでしょう。

この「連絡に時間をかけない」なんて簡単な、些細なことに気を配っているというのは、転職活動において実は重要なことです。

まとめ

今回私が書いたのは、一見すると「当たり前」なことばかりかもしれません。

ですが実情、その「当たり前」ができていない会社がとても多いです。例えば選考の連絡に時間をかけない、など些細なことができていないのは、「人事の採用形態がうまく機能していないから」などの理由が考えられます。採用活動の良し悪しで、その会社の業務形態まで推し量ることができるのですから、採用活動が上手い下手はやはり重要ですよね。